1. “辞めたいわけじゃない”けど、苦しい日々
日々のお仕事お疲れ様です! ぽり です!
「仕事を辞めたい」という言葉の裏には、必ずしも「この職場が嫌」「福祉の仕事が合っていない」という単純な気持ちだけがあるわけではありません。
実際に現場で働いていると、「本当はこの仕事が好きだし、人の役に立ちたい。関わる人を幸せにしたい。でも、もう限界かもしれない」と感じる瞬間があるはずです。
そんな矛盾した感情を抱えながら、日々の業務に向き合っている福祉職の方は多いのではないでしょうか。
2. 「忙しさ」に飲み込まれてしまう福祉職の現実
福祉職の現場では、業務量の多さと人手不足が慢性化しており、日々の仕事に追われる中で自分の感情を整理する暇もないという人も少なくありません。
- 朝から夕方まで、会議、対応に追われ、記録も書くために一息つく暇もない
- 自宅に帰っても、翌日の支援のことで頭がいっぱい
- 休日も仕事のことが気になって休んだ気がしない
これが数日ではなく、何週間、何ヶ月と続けば、心がすり減ってしまうのも当然です。
3. 「辞めたい」ではなく「立ち止まりたい」という気持ち
「辞めたい」と感じる理由の多くは、「逃げたい」ではなく「一度立ち止まって、自分の気持ちを整理したい」からかもしれません。
「もう少し余裕があれば」「少しだけ距離を取れれば」と思いながらも、責任感や周囲への気遣いからそれができずに、気がつけば疲弊している。
本音に向き合う余裕すらなくなるのが、福祉職の“忙しさ”の怖いところです。
4. 忙しさの中で、自分も見失いかけた日のこと
実は私自身も、以前どうしようもなく苦しい時期がありました。
現場支援や会議や相談業務に追われ、利用者の希望に十分に耳を傾ける余裕もなくなっていた頃。それに加えて、職場の人間関係からくる居心地の悪さがピークに達して平静を装うのもギリギリでした。
そんなときに限って、緊急の対応やイレギュラーな出来事が重なり、すべてが自分の思うように行かなくなって、
「何のために、この仕事をしているんだろう…」と、心がポッキリ折れてしまいそうでした。
「もう限界…。」と思いながら上司に相談をした際に
「どうして、自分だけで解決しようとするのか。困る前から相談してくれていいよ。」
その言葉でいっぱいいっぱいになると周りが見えなくなっていたのか、自分がいかに全部一人でやらなければならないと思っていたのか、に気がつきました。それからは“報連相(ほうれんそう)”に時間を割くようになりました。
そうすることで、自分が悩んで解決する問題なのか、相手が最終的に判断すべき問題なのか、見えるようになってきました。
自分の置かれた状況が見えるようになってくると、不思議と落ち着いて物事を考えられるようになり、走り抜けるだけの日々から立ち止まって考える時間をとれるようになりました。
今も、悩むことはたくさんあります。
でも、利用者さんからの「最近、ちょっと気持ちが楽になったよ」や上司・同僚からの「任せてよかった。助かった。」といった何気ない一言に支援の手応えを感じるようになりました。
苦しいときほど、人に相談することや立ち止まって自分や相手と向き合うことの意味を、少しずつ実感しています。
5. 本音と向き合う3つの視点
では、どうすればこの“モヤモヤ”と向き合っていけるのか。私が意識している3つの視点を紹介します。
①「辞めたい理由」を細かく分解してみる
「疲れた」「向いてない」「やりがいを感じられない」など、ざっくりとした感情を一つひとつ具体化してみると、「これは今の部署の問題かも」「これは上司との関係性かも」といった整理ができます。
②「好きだったこと」を書き出してみる
初心を思い出すように、「この仕事の何が好きだったのか」「嬉しかった瞬間はどんなときか」を書き出してみることで、自分がなぜこの仕事を続けてきたかが見えてきます。
③「信頼できる人」と話してみる
職場の仲間、家族、先輩、同期。誰かに自分の気持ちを話すことで、客観的な視点が得られたり、自分の中の答えが見つかることもあります。
6. 自分の気持ちを言葉にすることで、見えてくるもの
人に話すのが難しければ、まずは紙に書いてみてもOKです。
モヤモヤを「見える化」するだけでも、心が少し整理されます。
自分の気持ちに気づけた瞬間、「ああ、自分はまだ辞めたくないんだ」とか「こういう働き方なら続けられるかもしれない」といった“本音の核”が見えてきます。
7. おわりに:辞めたくないのに苦しい人へ、伝えたいこと
辞めたい気持ちがあること自体、決して悪いことではありません。
でも、その奥にある「続けたい」「支えたい」という本音にも目を向けてみてほしい。
もし、今あなたが「辞めたくないのに、苦しい」と感じているのなら、それはあなたが“本気で誰かの力になりたい”と思っている証拠です。
どうかその想いを、自分自身が否定しないであげてください。
「本当は続けたいけど、今の環境では続けられない。」と思うのであれば、環境を変えることも一つの手段です。
勇気は要りますが、部署移動の打診や転職などで気持ちが楽になることもあります。
一度立ち止まって、自分と向き合う時間を取ること。
それが、福祉の仕事を“自分らしく”続けていく第一歩になります。
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